歩のハンバーガービキニ

ミリマスPの妄想日記・SSなど

星の王子さまミュージアムに行ってきたよ

 

星の王子さま』読んだことある?

 

 まず作品を知っていてくれないと寂しいので、こちらに青空文庫のリンクを持ってきた。よく知られている邦題は、簡潔かつ示唆に富む『星の王子さま』であろうが、こちらの訳者の大久保さんは『あのときの王子くん』という別れの哀愁を匂わせる訳出になっている。原題をフランス語から英語に直すと『the little prince』、直訳では『小さな王子さま』となり、少々味気ない。

 

 ただ、子供向きなのか、平仮名が多すぎて大人には読みづらいかも知れない。500円とかで文庫本を買って読むのがいいかも。今の時代だから、電子書籍で買えば今すぐ読める。本を読む習慣を持つ人なら、瞬く間に読み終わってしまうだろう。

 

縦書きですぐ読むにはこっち(青空 in Browsers)

あのときの王子くん

 

青空文庫の作品ページ

図書カード:あのときの王子くん

 

 最初読んだ時にはまぁなんとも、これを今まで読んでいなかったとはもったいなかったと思ったものだ。これだけ短くて、易しく、さらには優しく、人生で人が見失いがちなものをぎゅっと抱きしめていて、私たちがちゃんと注意を向けてあげれば、その抱きしめているものを笑顔で共有してくれるような、温かい気持ちになる物語だ。

 

ミュージアムに行った話

 

 星の王子さまミュージアムには、大雑把に分けて、作品の世界を再現した屋外の展示と、作者であるサン=テグジュペリの人生に関しての屋内の展示がある。

 

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 エントランスを抜けると、王子さまの像が出迎えてくれる。バラの並木道(?)の先には、恐らく作者の故郷であるフランス風なのだろう庭園と建物群。正直海外の風景には詳しくないので、フランスらしさとかはよく分からない。フランス語っぽい綴りの文字とかで判断してた。

 

 寒い時期だったから、咲いている花はほとんどパンジークリスマスローズだった。今年の3月31日で閉園になるので、もうバラが咲くことはないかもしれない。いい時期に来ていれば、素敵なローズガーデンだったんだろうな。

 

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わがままなバラのために、風よけのついたてを立ててあげる王子さまの像。

 

 やべ、全然写真がない。物語に登場するうわばみや、黄色いヘビ、星々の大人たちが立体になって現実世界に現れている。屋内展示の最後の方にも、大人たちやキツネ、バラなんかがいたなぁ。

 

 映像展示を見た後は、屋内の展示へ進んだ。サン=テグジュペリの生まれから、第二次世界大戦中、偵察飛行に出て戻ってこなかったという最期まで、かなりのボリュームで紹介されている。映像展示の中で、彼が最期に乗っていたとみられる偵察機が海の中から発見されたとか、彼の乗っていた偵察機を撃墜したというドイツ兵の話とかもあった。

 

 彼は貴族の子で(その当時貴族という言葉が正しいのかは分からないが)、城に住み、庭で翼をつけた自転車を走らせていたという。小さい頃から、親戚?に飛行機に乗せてもらっていたようで、空への憧れが強い少年だったらしい。小学校くらいの頃から、劇の台本を書いたりしていたらしく、なかなかの夢想癖の持ち主だったことを窺わせる。

 

 どうやって飛行機に乗れるようになったかは忘れてしまったのだが、確か、どちらかというと作家としての才能が先に見出され、空を飛ぶ職業に就くには難儀したというような話だったと思う。結局、北部アフリカでの航空郵便事業に参加することができた。サハラ砂漠に不時着したことがあり、『星の王子さま』やその他の著作にも、その時の経験が描写されているという。『星の王子さま』に登場するキツネも、砂漠のフェネックであるらしい。

 

 実際に『星の王子さま』を執筆したのは、アメリカのニューヨークに亡命している時だったと記憶している。『星の王子さま』を書く前から、メモや手紙の中に子どもの絵が登場していて、原型はずっと心の中に住んでいたんだと思わせる。『星の王子さま』の絵も味わいのあるスケッチだが、メモや手紙の中の絵も、いわゆるヘタウマともまたちょっと違った味わいがある。純粋な遊び心を感じる絵。

 

 そのあとは併設レストランに進むのだが、食事が売り切れてしまって、空腹に耐えながら駅まで帰ったのが悲しかった。周辺のレストランもいっぱいだった。併設レストランではデザートとドリンクしか残っておらず、それにも行列ができていたので諦めた。ホームページで、物語をモチーフにした料理の数々を見て楽しみにしていたから、余計に残念だった。帰り道で、イートインの軽食を色々とハシゴして食べることになったので、それはそれで楽しかった。

 

 レストランの先にはミュージアムショップがある。職場とか家族へのお土産を買って、あとは病気の羊のピンバッチとしおりを買った。サン=テグジュペリの味のある絵が好きだ。

 

感想

 

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 混んでたなぁ〜。まもなく閉園というのもあっただろうけど、平日の休みに行ってあれだったら、土日は人だらけだろうな。『星の王子さま』が愛されている証拠でもあるだろう。

 

 物語を3D化するのは一般的な手法だが、やっぱりその辺りは限界も感じるというか。私は悲しいことにオタクになり損ねている人種なので、文字や絵が模型になったくらいでは大して感動しないから、おぉ、あれじゃん、くらいの感じで自分にちょっと寂しい気持ちになる。

 

 個人的には作者の人生に関する展示が白眉。各時代ごとに、作者が過ごしていた部屋を再現してみたり、通路や各部屋の装飾が変わっていったりと、かなり力が入っていたように感じる。もとより、全然知らない作家の人生に歩み寄り、それを追体験しようという試みを経験したことがほぼ無いので、そういう意味でも新鮮・鮮烈な体験になった。

 

 不満だったというか、解釈違いだったのが、映像展示の解説の中で、王子さまに声をあてている部分があったのだけど、私の中では王子さまはあんなに高くて子供じみた声じゃなかった。もっと哲学者的で、落ち着いた声だと思う。映像のテイストから見ても相当昔に作られたものらしいから、その頃の流行りとかもあるのかも知れない。確かに王子さまの言動には子供じみたところがあるのだが……あまり納得がいかん。

 

 全体としては満足した。車がない場合、駅まで電車で出て、そこからバスで山を登らないといけないので、身体的には疲れた(私は車酔いするので、余計に)。でも良い気晴らしになったし、新しいことをたくさん知ることができた。箱根はまだまだ遊べるところがいっぱいあるし、また行きたい。

啓蟄はガチ

 

あったか〜い

 

 最近暖かくなりましたね。私の趣味の野菜作りや植物の世話も新しいシーズンを迎えます。嬉しいですね。

 

 冬の間にどうしても手寂しく、クソ寒いなかほうれん草の種を蒔いたのが、もう食べられるくらいに育ちました。他にも寒さに強い植物で寄せ植えの鉢を作ったりして、なんとかまだ維持できています。

 

 外に目を向ければ、梅の花も終わり。場所によっては水仙の花も終わり。桜も咲いたり咲かなかったり。うちの近くでは、野生の百合が地面から顔を出しています。百合は、夏には2mくらいまで背を伸ばすので、毎年驚いています。

 

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ユリの新芽。すぐ隣に去年の茎が残っている。

 

 七尾百合子さんのことを思うと、すらりと伸びた茎のてっぺんに、いくつも大輪の花を開く姿、あれはおしゃべりなところが似ているかな、みたいな思いがします。

 

 他に花の名前を持つミリマスのアイドルは、桃子もいますね。桃の花もそろそろじゃなかったかな。桃の節句は、現代の暦に直すと4月くらいのはずです。そして、最近園芸店に行ったら、『令和の桃子』という品種名をつけられた多肉植物があって驚きましたね。桃太郎とかはもともとありましたが、ずばり桃子とは……

 

 それから、あずささんも木の名前ではあるようですね。調べたら白い上品なお花が出てきました。実際のところは、日本の古典に登場するけど、どの木のことかははっきり分かっていないみたい。

 

話を戻します……

 

 憎らしいドクダミのみなさんも最初の葉っぱを出してきていますね。気が早い個体ではスミレの花も咲いています。アジサイの新芽、モミジの新芽も出ています。

 

 ハナミズキも咲いてます。ハナミズキの花は、一青窈さんの『ハナミズキ』の歌い出しにあるように、まさに『空を押し上げて手を伸ばす』ような形をしています。写真撮ればよかったな。花を見るたびに、見事な表現だなぁと感心しています。

 

 スミレにつくツマグロヒョウモンという蝶の幼虫や、カタバミという草につくヤマトシジミの幼虫は、育てるのが簡単です。いつか紹介できたらいいなと思います。

 

 あと野良猫のうんちがちゃんとにおいます。前までは極寒+乾燥のコンボで石みたいにカッチカチになっていましたが、今ではハエさんたちがしっかり集まってきています。ハエさんたちがいなかった時は、分解者がいないので永遠に石のようなうんちが地面に残っていました。

 

 ハエさんだけでなく、クモさんなんかも動き出していますね。落ち葉の吹き溜まりをガサっとやれば、急いで逃げていく徘徊性のクモさんを見つけることができます。捕食者たるクモさんはよく見ますけど、食べられる側の虫たちの姿があんまり見られませんね。

 

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8本も脚があるのにめちゃくちゃ走るのが速いクモさん。脚が多いからこそ速いのだろうか?

 

 日が落ちるとコウモリさんなんかも飛んでいますね。まだあんまり虫が飛んでいないと思うんですが、食べ物はあるんでしょうか。

 

 本当は試しに作った春っぽい漢詩でも載せようと思っていたんですが、韻を踏んだり、中国語での発音まで考えなきゃいけなかったりで、納得いく出来になりませんでした。また練習して、思うように出来たら載せようと思います。

 

 草花や昆虫は、見てて本当に飽きないです。日本に四季があってよかったってなります。

朝から野菜と肉を食べ、バナナスムージーまで飲み始めた男

 

そうは言っても健康は大切

 

 私は今年で31になるが、30になった瞬間に肌の乾燥具合がおかしいということに気がついた。もちろん、「30歳の節目を迎えた!」という事実から逆算して、認知の仕方が変わったとも考えられるが、吹き出物はガンガン出るわ、手首の辺りが真っ赤になるわ、鎖骨らへんが異様にかゆいわ、これはおかしいでしょという判断に至った。

 

 とりあえず朝の洗顔を『水でゴシゴシするだけ』から『洗顔料を使ってぬるま湯で優しく洗う』のに変えた。それから、お風呂を出る前につける保湿液を買って、痒くなる部分に塗りたくることにした。ハッキリ言って、非常に効果が高い。鎖骨らへんの痒みだけはなかなか無くならないが、手首の霜焼けのような症状は無くなったし、顔の肌の潤い感、触った時の柔らかさが全然違う。肌のケアはコスパが良い(小さな手間でも分かりやすく効果が上がって嬉しい)という言説を聞いたことがあるが、今なら大きくうなずいてしまう。

 

『遊びたくても遊べない』からの脱却

 

 さらには体力が続かなくて余暇時間に何も出来ず、家に帰ったら飯・風呂・歯磨き・就寝で一日が終わったりして、このままだと人生がもったいないなと思い始めた。

 

 とりあえず、創作も疲れて考えられないみたいなことが多かったので、体力をつけようと思い立った。自分で適当に調べて筋トレメニューを作り、それをこなしたらリングフィットをやる、というのを続けてみようと。毎日はなかなか出来ないのだが、『完全にやめない限り、いつ始め直しても良い』というメンタルで細々続けている。

 

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適当にググって作ったメニュー。一回に一部位だけ頑張る。上腕三頭筋がミジンコレベルなのでナロープッシュアップが全然出来ない。

 

 体力作りに関しては始めてから一ヶ月くらいは経っている。毎日体重計に乗っているが、多少の増減はあれほぼ変わっていない。別にダイエットが目的でもないし、ムキムキになりたいわけでもないからいいんだ。お腹の脂肪は落としたいと思ってるけど、一応全身やっていこうかなって。もっとずーっと先のゴールとして、筋肉をつけて体重を70キロにするという目標もあるが、まぁ置いてあるだけのゴールという感じだ(現在は63キロくらい)。身体を動かすこと自体は気持ちがいいので、『やったら良いことは分かっているが、やるまでがつらい』というよくあるアレになっている。

 

 効果としては、どうなんだろう? 「体力がついた!」という実感はあまりないのだが、テストステロンとかが出る影響なのか、メンタルが変わってきた。嫌なこととか、やりたくないことに対しての動き出しが早くなってきた。体力的な向上も無関係とは言えないと思うが、気力がみなぎっていて、やらなきゃいけないこともやりたいこともどんどんやる。これが筋トレの効果だとすれば、筋トレを異様に賛美し、ハマり込んでしまう人がいるのも無理はないなと思わされる。

 

朝ごはんを変える

 

 もうひとつの試みとして、食べるものに気をつけてみようと思った。そこで見たのが厚生労働省のホームページにあった食事バランスガイド。

 

厚生労働省ホームページ 食事バランスガイド

「食事バランスガイド」について|厚生労働省

 

 これ、保健の教科書とかで見た記憶がうっすらあって、卒業から10年以上経って参考にさせてもらうことになった。ホント何が役に立つか分からない世の中だ。

 

 めちゃくちゃ荒い理解なんだけど、多分これ要するに、主食・副菜・主菜・乳製品・果物を一日にこのくらいの比率で摂りましょうという逆さ円錐の図なんだよね。

 

 私には相当野菜を食っているという自信があったので、円錐の底の部分、乳製品と果物って多分摂ってないねと思って。乳製品は牛乳飲んだりヨーグルト食べたりで割と手軽だけど、果物がネックだった。私はバラ科果実にアレルギーがあって、リンゴやイチゴ、サクランボを食べると唇や喉がかゆくなってしまう。そこから果物に対して恐怖心というか、「これ食べても俺は平気なんだろうな!?」という気持ちがつきまとうので、果物というだけでこれまで敬遠してきたのだ。

 

 当然、バラ科ではない果実、柑橘系とかバナナとかなら平気だろうと。ミキサーに牛乳とバナナと、スーパーで売ってるすりごまを入れてギュイーンとやって、そしたらそれだけで味付けとかしてないのに普通に美味いのな。全然飲める。「スムージーってこういうのなんだ!」って人生31年目にして感動した。

 

 しかも牛乳とバナナ、即ち乳製品と果物を一度に摂れる。飲まない手はないでしょ。やばいねこれは。もっと早く知っていればなぁ。

 

 んで、もともと朝ごはんはココくんのチョコクリスピーを食べていたんだけど、昼前にはお腹が減ってしまうのが常だった。そこにバナナスムージーを足して、そうすると欲が出てきて。もっと腹持ちがいいように朝から白米を食べようと。白米食べるのにおかずがいるから、手早く処理できるレタスとトマトでサラダを作ったり。日持ちがしないからスーパーで買った翌日・翌々日とか限定だけど、ベビーリーフをムシャムシャするのも簡単でいい。もっと余裕のある時はベーコン焼いたり。火を使わなくてもサラダチキン乗っけたり、ハム乗っけたりすれば、野菜と肉が摂れる。

 

 もともと結構野菜は食ってるぜと思ってたんだけど、肉野菜炒めとか鍋とかなので、加熱してあるものが多くて。やっぱ生の野菜は違うのか、いくつか変化があった。まずその生活を始めて2日3日で、尿の黄色がめちゃくちゃ濃くなった。正直ビビった。強めの風邪薬飲んだとか、ビタミン剤飲んだとか、そういう時の黄色なの。今は普通に戻ってるんだけど、何か意味ありげに思えて仕方ない。

 

 あとは便通も増えた。私は普段から快食・快便・快眠なんだけど、さすがに便通は日に1回か2回。それが3回4回になって、「いやそこまでしなくてもいいんじゃないの……?」って身体に相談した。コーヒーを飲む習慣をつけてからかなり快便になったんだけど、それよりさらにお腹の中の掃除作用が強くなったのか、なんだかよくわからない。1日4回もうんち出るの、さすがに多くない……? 食事は3回なのにさぁ……

 

 まぁ問題としては、朝起きれなかった時とかにそんな悠長な朝ごはんは食えんよと。そうだな、寝起きはそんなに改善してないな。早起きしたらしっかり食べるし、ちょっと遅れたらココくんのチョコクリスピーを食べる。前みたいに牛乳で食べるんじゃなくて、バナナスムージーで食べてる。マジで簡単に作れて美味いし健康にも良さそうなのでありがたい。スムージーとサラダと肉を作るのに、洗ったり皿に盛ったりで10分は要る。10分くらいだよな。多分。そしたらそんなに悠長な朝ごはんでもねぇじゃねぇか。

 

朝晩のストレッチ

 

 まだ俺の健康に対する意識の高さは終了してないぜ! もともとヨガの本とかは読んでたんだけど、結局実践してなかったのよね。それで、とりあえず寝る前に太陽礼拝したり、犬のポーズ猫のポーズやったりすると、やっぱり違うね。主に寝つき。身体の芯というか、背骨というか、その周りがほぐれた感じがする。緊張がとれた感じ。

 

 朝起きたら最初にトイレ行って顔洗ってしちゃうので忘れがちなんだけど、朝ストレッチすると本当に身体が起きる感じがする。でもやっぱ寝る前よりは効果が出てる実感は無いかな。コリがほぐれる感じはするし気持ちはいい。

 

 あと、最近職場で「背中が全部壁にくっつくか?」っていう話になったことがあって、そこで初めて自分のストレートネックを自覚した。正確にストレートネックなのかは知らんけど、姿勢は悪いんだなと。それでブリッジみたいな、仰向けの状態から脚と腕で身体を持ち上げる、でも腕は普通のブリッジとは違ってバンザイじゃなく、肘を曲げて手のひらで地面を押すような形を作るストレッチをやってる。

 

 これをやっていたら、ずっとおかしかった左肩の違和感が軽減して驚いた。スポーツをやめちゃったのは、たまに脱臼のような変な状態になるのが怖いからだったんだけど、これ続けてたらまた遊べるようになるかも。左肩がおかしいのは、多分中学高校の頃気が狂うほどゲームをやっていて、その時同じ姿勢を取り続けていたのが原因だと思ってる。まぁ何にせよ、身体の不調が改善するならありがたい。

 

 姿勢が良くなったかと言われると分からないけど、たまに気づいて、スッと首の位置を戻すと、全然見える景色が違うので驚く。自転車で通勤していて、「背中曲がってるな」と思ってスッと伸ばすと、本当に遠くがよく見えるというか、目線が遠くになるのが面白い。デスクワークで使われるパソコンや周辺機器も、人間工学の観点から日々進化しているけど、「やっぱり人間ってあんなに手元を見続けるもんじゃないのかも」と思わされてしまう。

 

おわりに

 

 やっぱやってみないと分からないことってあるんだなぁと、毎度毎度思わされる。今年人間ドックに初めて行くつもりなので、「数字がここまで改善しました!」とかは言えないんだけど、読んでくれた人を説得したいわけでもないし、別にいいか。

肩書と二次創作について考える

 

プロデュースってなに

 

 すげー昔の記事を読んだら「歩担当です」とはっきり書いてあって鼻水が出た。担当、とか担当プロデューサー、という肩書は私には合わないので看板を外しておく。私の立ち位置はファンに近いし、ゲームやCDに登場する「プロデューサー」は私ではないし、私を投影することもできない。

 

 こじつけな気もするが、SSを書くことはプロデュース活動だと言っていいだろう。シアターの日常、的なSSであれば別だが、私が書くものの内で「こういう設定の映画とかドラマに765プロのアイドルが出ました」みたいな気持ちで書いているものがある。それに関してはオファーを出して、私の脚本通りに動いてもらっているという意味で、プロデュースっぽい。もちろん、今気づいたことだが、それは脚本家や映像の監督に近い立ち位置だ。彼らはアイドルを配役するにあたってプロデューサーに話を持ちかける側だから、765プロの人間ですらない。

 

 二次創作だから、喋り方とか振る舞い方とかは、ある程度は勉強して、寄せる。でもゲームの中でドラマや演劇に出るアイドルたちは、当然役になりきっているので、「口調や呼称が違う」も何もない。ドラマCDでも、ビジュアルや声が無かったらオリジナルみたいなもんになるテーマだってある。二次創作というのは不思議なものだ。

 

 二次創作界隈にいると、「それアイマスでやる意味 / 必要ある?」という指摘が出る時がある。私の場合、SSを考えるときには、そもそもアイドルキャラクターが動くことを想定しているので、「アイマスでなかったら取り掛かることすらない」。そういう意味では、アイマスは私の中ですごく大きな意味のあるコンテンツだ。

 

 二次創作とプロデュースについてまたひとつ思いついたことがある。プロデュースはアイドルキャラクターのいいところをアピールする、プロモーション的な面がある。二次創作はプロモーションがなくてもいい。と言っても、二次創作に登場する以上は、そのキャラクターの特性や活躍、キャラクター間の関係性なんかが題材に選ばれやすいから、自動的にプロデュースに含まれるような気もする。

 

 正直、「ミリシタでアイドルをプロデュース!」というのも、よく分かっていない。仕事を取ってくるとか、舞台袖からステージを見守るとか、そういうのが「ミリシタにおけるプロデュース」ではないことは明らかだ。フィクションなので当たり前だが、現実のプロデューサーとは違い、アイドルと話をしたり、劇場で歌い踊るアイドルを見たりするのが「ミリシタにおけるプロデュース」であるように見受けられる。

 

 そんだったら、台本形式でプロデューサーとアイドルにバカ話をさせるのもプロデュースになるだろう。ということは、実は私はプロデューサーだったということになる。なんということだ! 「こまけぇことはいいんだよ」とか「みんなまとめてアイドルマスター」とか言い出す前に結論に達してしまった。

 

担当ってなに

 

 もともとのお題としては、この記事の冒頭で「担当」の概念が挙げられていた。周年イベントなどでは、どれだけ自身の健康を無碍にしたかを争う酷悪なポイント制度において、上位に立ったプレイヤーが「何番目以下は『担当』じゃない!」などと叫びながら枯れ草に火を放つのが風物詩となっている。たぶんもう燃える草も残ってない。

 

 「担当」は、私の中では、グリマスを始めた時からずっと謎の概念だった。グリマスでは、ホーム画面に配置するユニットとして三人を選ぶことができた。私は五十人(50人)全員ちゃんとプロフィールを読んで、ボイスも聴いて、環とこのみさんと可奈?(美奈子だったかな?)が最初のユニットだった。最古のスクショが2017年の1月、しかもホーム画面じゃないのであやふや。ユニット名はミリャーレ八王子。

 

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 昴が千鶴さんを「セレブ」と呼んだから撮ったと思われる、私のスマホに残る最古のスクショ。

 

 当時は「なんか面白いことを起こしそうな子達だ!」という印象で選んだ覚えがある。私のアイマスへの入り口が、アカギという麻雀アニメとアニマスを混ぜたニコニコのMADだったので、「アイマスっていうのは、面白いことをする時にパートナーになってくれるんだ!」みたいなよく分からん感想を持っていた。当時のニコニコでは「春香さんは歌下手」みたいないじり方をされていたので、歌が下手という設定の可奈を信号機のセンターだと思い込んでいた。

 

 周年ボイスだったか、何かのカードだったか忘れたが、歩が、プロデューサーが帰るのを待ってて一緒に帰るみたいな話があった。そのときに、「見た目も派手で活発な子なのに、こんないじらしいところがあるんだ!」と思って好きになってしまった(LOVEじゃなくてLIKEね)。

 

 ミリシタになってから、育さんの大人なところ、一生懸命なところに心を打たれ、好きになった。育さんの方が自分の好みに合っているというか、『話の通じる頭の回転が速い子ども?』みたいな概念が割と好き、好感が持てるって感じ。小学校にボランティアで宿題見に行ってた時があるんだけど、その時も3年生4年生に一番好感が持てた。

 

 でもやっぱり、自分は選択肢や可能性を狭めることをすごい苦手としているので、「この子だけ集中して育てる!」とかっていうのが元来苦手だった。誰でも同じように、好きでいようみたいなところがあった。実際、ミリマスのアイドルたちはみんな良いところがあって、それぞれ好きなところがあった。

 

 箱推しみたいな概念もあるので、それで「ミリマスP」って名乗っていたけど、あんまりしっくりこないね。やっぱり担当っていないと思う。だからなかなか難しい。でも、みんな好きだなぁって気持ちは嘘じゃないと思う。

 

 

 

おわりに

 

 まとまりのない話だけど、最後にこれだけ。

 

 ミリオンライブ10周年おめでとう!

 

 そして、ありがとうミリオンライブ。ありがとうドラマシアター。

『月は無慈悲な夜の女王』を読み終えた!

私はかなりライトなSF読者で、いろいろとつまみ食いをするように海外の有名どころを読んでいる。

 

今日読み終わったのは、アメリカのロバート・A・ハインラインが書いた『月は無慈悲な夜の女王』という長編SFだ。

 

少し前までは電子書籍で買って、通勤中にスマホで片手で読めるというスタイルも気に入っていたのだが、電子書籍よりも手元に残る感じがする実物の方が好きで、Amazonで紙の本を買っている。

 

一緒に買った『ソラリス』もまぁまぁ厚かったが、『月は無慈悲な夜の女王』は、おそらく私が読んだ文庫本の中で一番厚かった。解説まで入れて700ページ近くある。これを見てビビり、『ソラリス』を先に読んだのだった。

 

月は無慈悲な夜の女王』は、『ソラリス』を読み終わったその結構なモチベーションというか、「読書というのはなんて面白いんだ!!!」という勢いのままに読み始めた。長いは長いが、最初のうちから展開が早く、物語にぐいぐいと引っ張られていく。

 

流刑地として利用され、穀物を搾取されてきた月世界が、地球に反旗を翻す、というのがおおまかな筋書きだが、いわゆる宇宙戦争モノとは違い、月には何もない。宇宙船も水爆ミサイルもない。月の世界は地球から来た役人に支配されている(形上は支配されているが、月世界人たちのガッツというか、特異な環境で生まれた自分達の暗黙のルールに従う力が強く、月の側も地球側を憎み、現地の行政府を利用しまくっている)。

 

この状況を、主人公のマニーと、月世界のマザーコンピューターみたいなやつであるマイクと、めちゃくちゃ頭が良く自分の思想に忠実なデ・ラ・パス教授、熱意溢れる女性活動家のワイオミング、彼らがどんどん物事を決めていき、主人公は巻き込まれるようにしながら地球に対する革命の計画を進めていく。

 

私のお気に入りのキャラクターは教授だ。彼は非常に高尚な思想家・戦略家で、時には味方をも騙すような真似をしながらも、先を見据え、決して動揺しない。頭が切れるし、年の功もあるのだろうが、彼はきっとコンピューターのマイクと渾々と話を詰めて、そのことでも自分を信じきっていたのではないだろうか。マイクは月世界の全てのカメラや電話などにアクセスできるし、それらから集めた情報をもとに素早く計算して物事の起こる確率などを教えてくれる。もっと言えば図書館の本なども一冊数秒とかで読み、そしてその全てを記憶できるので、容量と計算力で言えばもっとも頭がいい登場人物だ。

 

登場人物と言ったのは私の言葉選びにおける不手際ではなくて、マイクはかなり人間的な鋼鉄の塊だからだ。彼は自意識を持ち、つまり自分が何者で何ができるのかを分かっている。コンピューターというのは命令を与えられ、そしてそれを実行したりしなかったりするのだが、マイクは自分で考え、アイデアを提案し、人間を動かしたり、人間の命令をこなしたりする。彼は最初、ジョークを考え出し、それが面白いかどうかを主人公マニーに尋ねた。きっとそのような命令のプログラムは組まれてなかっただろうに。

 

その人間的なコンピューターであるマイクと話をして、教授は自分の判断をより強く確信していたんじゃないか。そしてその高度に政治的で戦略的な話し合いを、マイクは「つまらない話」だと言っていたのも面白い。政治や戦略が面白いのは人間だけなんだろうか?

 

実際、この架空の政治、読者には何も関係がない政治の話はめちゃくちゃに面白かった。人間の集団がどう動くのか、どういう性質の人間をどう動かせばどうなるのか……まるで社会実験を小説の形で読んでいるような気分になる。テーマとしては奴隷の解放のような側面もあり、アメリカだな〜という感じもする。

 

結構読むのには時間がかかったが、面白かった。ハインラインを読んだのも初めてだったが、主人公の独白が高頻度で挟まってくる変わった文体だった。次は何を読もうかな。

【日記】長くなった自分語り

このブログ、一年以上記事を載せていなかった。ほぼトゥイッターで済ませているから。

 

でもなんか頭の中に固まった書きたいことができて、トゥイッターで書くよりはこっちの方が適していたのでこっちに書こう。

 

この間、といっても多分4月とか5月とかなんだけど、Adoさんの『うっせぇわ』という楽曲を聴いた。YouTubeとかでちゃんと聴いたわけではなく、テレビの1コーナーで歌詞がクイズの題材になっていて、そこで一部分を聴いた。

 

トゥイッターを毎日見ていると、ある程度自分の知らない領分のお話が流れてくる。そういう情報の取り方をしていたら、『うっせぇわ』は「ウッとなる」とか「歌詞が聴いていてつらい」とか「若いうちに聴いておいた方がいい、はしかみたいなものだ」とか色々言われていた。当然叩く側の声の方がでかいのが健全なインターネット状態だと思うので、そういう言説の方が流れてきやすいのだろう。

 

私は多分ウッとなるだろうと思ったのだが、案外大丈夫だった(はしかパターンか!?)。そういう見方もあるよねみたいなつまんない感想を持った。ただめちゃくちゃ驚いたというかほ〜っとなったのは、Adoさんがめちゃくちゃ歌が上手いということだ。

 

そしてすぐに、この曲に共感した何者かになりたくてしょうがない全国の反抗心ある中高生が友達と肩を組んでこの曲を歌ってるんかなぁ、などと想像してげんなりした。そういうの悪い癖ですね。本当に孤立している人には響かねぇんじゃねぇかな(ちゃんと聴いてもいないくせにそういうことを言うな)。

 

でも、自分のことを思い返してみると、今現在ゴリゴリに親と社会の敷いたレールの上を走っている私も、中学高校の頃はTHE BLUE HEARTSを子守唄にしていた。誇張ではなくイヤホンで聴いたまま寝落ちする生活をかなり長いことしていた。

 

ブルーハーツを知らない人もいると思うので私の感想を書くと、パンクロックである。『ロクデナシ』や『ロクデナシ2』『星をください』あたりが、ブルーハーツの思想だと思っている。私も、バイトの面接で冷たくあしらわれたり、不動産屋で部屋を借りれなかったらするような、ロクデナシになりたくてしょうがなかった。

 

それはなんなのかと言えば、中高生として一人前に何者かになりたかったのだろうなと思う。今から考えれば不動産屋で部屋が借りれないなんて人生ハードモードすぎるだろ。でも真剣に憧れを持ちながら、当然そんな度胸も何も無かった。

 

何者かになりたいという欲求がどうやって消えたのか、それはやはり「私は私になった」とでも言うような感覚ができたからだろう。何者かになんてまずなれない。色々なところを旅して回って、最初の場所に戻ってきたような感じだ。

 

私の場合は、中高生から現在の自分に変わるまでの間、ターニングポイントはふたつくらい思いつく。大学で合唱団に入って、コミュニティへ所属しコミュニケーションの糸を繋いだこと。そして大学卒業後に精神科にかかって向精神薬を飲み始めたこと。

 

私は中学高校の頃は人とコミュニケーションを取ることができず、家を出てから家に帰るまで一言も言葉を発さずにいたこともしょっちゅうだ。小学校の頃からその傾向はあった。

 

合唱団に入ったことは結果的にほぼ最良の選択だったと今でも言える。他がどうかは知らないが、私の入った合唱団は同じような陰の者たちの集まりで、めちゃくちゃ居心地が良かった。しかも立ち上げたばかりと言うこともあり自由な発言ができて、自分の意見に力があることを知った。

 

今現在なぜかつらいとか人とのかかわりが怖いとかの症状を抱えている人、騙されたと思って精神科に行くことをお勧めする。もし私が中学か高校の時に精神科に通って向精神薬を飲んでいたら、とよく思う(残念ながら今よりマシだったとは言えない。今は私にとって最も良い状態だ。それは「今が1番若い」に似ている)。

 

まず、なぜかつらいがなくなった。それは恐らく、脳内のセロトニンの量が足りていないからだ。人とのかかわりも怖くなくなった。無力感がかなりなくなった。受診と薬で月3000円くらいの出費になるが、たった3000円でこの状態がキープできるなら喜んで払うね。もうあの頃の状態には2度と戻りたくない。

 

私も最初は「薬を飲まないとダメなら、意味がないんじゃないか。薬に頼って自分が強くならなければ、結局いつまで経っても症状は治らないんじゃないか」と思っていた。だが今では「薬を飲んででもいいから“良く生きたい”」としか思えない。寛解はあっても完治は無いと思った方が楽だ。そもそも心の症状なんだから、悪くなったり良くなったりもするだろう。

 

明確にいつからとは言えないが、「私は私になった」。何者かになるんじゃなく、私になった。そういう感覚が、最近よく頭の中に立ち上がってくるようになった。

 

ミS交2に提出した作品について語る記事だったもの

このブログ記事は、第2回ミリマスSS交流会に作品を提出したタイミングで投稿しようと思っていた自作語りの記事でした

信じられないことに、ミS交用に完成させていた作品『えでろ・すぱざろ』は、筆者のミスにより誤って消去され、復元不能となり、永遠に失われました。

未だに悲しさ、悔しさがありますが、『えでろ・すぱざろ』の供養をしたいと思い、この記事を墓標代わりに投稿します。

よって、このブログ記事は「世に出ていない、かつて存在していたミリマス二次創作SSについて語る記事」になります。

以上を理解してくださった方は本文にお進みください。

 

・『えでろ・すぱざろ』筋書き(書き直す気はありません。察してください。)

志保と静香は”とるつ”の巫女。占導の口寄せにより神への生贄に選ばれたのは、静香の妹である星梨花であった。志保は弟である陸のことや静香の心中を思案しながら、祭祀長と静香、ラマの背に乗せた星梨花とともに神の居ます西風の峰への道を登っていく。祭祀長の呪文により到来する異形の神、えでろ・すぱざろ。静香は迷いない動きで短剣を手に突進し、神を刺す。瞬間、神は人知を超えた力を発散し、静香と星梨花、祭祀長とラマとを”消去”する。一人残された志保は神に囚われ、新たにその依り代となる。自身の異変に気付きながらも正気を保った志保は、山を下って集落へ戻る。心配する占導に抱き留められる志保。しかし志保の身体は占導の生気を吸い尽くして死に至らしめ、神の如き光を纏う。自分が人を喰らって生きる神となったことに気づき、発狂した志保は、叫びをあげながら山道を走り去る。えでろ・すぱざろの居ます場所、西風の峰の頂へ。

 

以下本文

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第2回ミリマスSS交流会に参加しました(※していません)

 

令和2年6月12日~30日の期間で、ミリマスのSSを投稿して感想を述べ合う「第2回ミリマスSS交流会」(五七五)が行われた。

 

第2回ミリマスSS交流会wikiのリンク

第貳回 ミリマスSS交流会@ ウィキ - アットウィキw.atwiki.jp

 

蓮見も第1回に続いて参加した。提出作品は以下のpixivページから読むことができる。もし読んでいない方がいたら、このブログ記事を読む前に読んでほしい。

 

『えでろ・すぱざろ』pixivのリンク(※投稿していないので存在しません)

 

『えでろ・すぱざろ』を書いた経緯

 

私は前回きさらさんとの合作を提出した。

 

『志保「かみさまの話」』 pixivリンク

www.pixiv.net

 

きさらさんのpixivプロフィール

www.pixiv.net

ハイセンスな作品が並んでいる。是非ミリマスSSだけでも読んでいただきたい。

 

その時は志保と美也とのり子を主人公に、ちょっと不思議なお話を書く的なコンセプトだったと記憶している。もともとは、途中からきさらルートと蓮見ルートに分岐し、二通りの事件解決を描く予定だった。しかし諸般の都合により、のり子とPが燃え盛る村から脱出する蓮見エンドはお蔵入りとなった。

 

さて、第2回ではどんな話を書こうか。書きかけのSSやアイデアはまだまだあるし……などと鼻をほじっていた時のこと。スマホアプリで聞いていたラジオから、こんなCMが流れてきた。

 

TBSラジオ後援、国立科学博物館特別展、ミイラ展、開催。

特別展「ミイラ」|TBSテレビwww.tbs.co.jp

特別展のサイトだしリンク切れたり消えたりしたらごめんね。

 

ミイラかぁ~~~~~そうかぁ~~~~~~いいねぇ~~~~~~

 

というわけである。

 

ミイラという言葉から着想するのはエジプト・ファラオ方面だと思うが、この時私の頭に思い浮かんだのは南米アンデス山脈だった。インカ帝国にも、ミイラを保存する営みがあったんじゃなかったかな。その昔テレビで、トウモロコシ製の酒を飲まされ、酩酊状態となった少女を山頂で殺し、何かの生贄にした?だかの番組を見た覚えがある。

 

インカ帝国のミイラについて。

古代インカ、生贄の子らは薬物漬け | ナショナルジオグラフィック日本版サイトnatgeo.nikkeibp.co.jp

ちょっと調べたらすぐ出てきたナショジオの記事。

 

この辺からもう私の頭の中はバラ色ストーミング状態となった。最近のSSでもっぱら超常現象の被害者になってもらっている北沢志保さんを主人公とし、異形の神との交信を描くのはどうだろうか。

 

はじめ、登場人物をクレブルでまとめようと思っていたため、神は麗花さんの如き相貌を予定していたのだが、茜ちゃんが滑り込む枠がなかったため断念。登場人物の配役はわざと想像の余地を残す書き方をしたが、筆者の想定では占導=あずささん、祭祀長=貴音、侍女=環で考えていた。

 

場所や時代背景はめちゃくちゃ適当。ほぼ何も決めてない。一応インカ帝国モチーフということで、「あの辺って確かスペインに侵攻されたよな?そしたらスペイン語ポルトガル語を日本語風にして、日本人が入植した体でなんか現地の言葉を聞き書きしましたみたいなの、いいな!」とかなんとか。この辺はゲーム『SIREN』シリーズの影響だ。

 

神を呼び出す呪文とか、もうメモも消してしまったので私にも正確な意味は分からない。「ばいら」は「踊れ」、「ばいらろか」で「舞い踊れ」、「あせんでんど、かえんどびえお」は「上昇し、下降し、」みたいな意味だったと思う。彼らは「とるつ」という民族で、主に酪農を営んでいる。「とるつ」も「タリツン」がなまってそうなった。タリツン自体はどんな意味だったか忘れた。「えでろ・すぱざろ」は「鳥の王」の意。

 

梨花を奪われたくない静香が神に反逆し、神は志保を次の依代として選ぶ、というのが筋書き。依代は人の命を糧として育ち、志保も恐らく巨大な光の塊になる運命なのだろう。そしてその道程で、陸を吸収することもあるかもしれない。そうして志保は、かつての同じ民族の命を奪って生きていかなければならない運命に恐怖する。

 

私の書き物はその時々で読んでいるものに激しく影響を受ける。この時はJ.G.バラードの短編全集を読み進めているところだったので、できるだけ短く、読者の想像力を刺激できるものを書こうと考えていた。

 

バラード短編全集1巻のアマゾンリンク 

J・G・バラード短編全集1 (時の声)

J・G・バラード短編全集1 (時の声)

 

どんな本か一言で言い表わせないけどすごく面白い。あと個人的には「こういう終わり方でもいいのか……」っていうのが勉強になる。

 

また並行して、廃園の天使シリーズの一巻、『グラン・ヴァカンス』を読んでいた。神との邂逅のシーンについては、こちらを大いに参考にした。

 

『グラン・ヴァカンス』アマゾンリンク

グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ

グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ

 

あらすじを読んだだけでワクワクが止まらない。絶対読んで損はしないと思う。まだ2巻までしかないので続編が楽しみ。

 

とまぁ、いろいろとアイデアを借りたりなんだりしながら。正直かなりよく書けたなと自分の中では満足している。最近の自分のだと『北沢志保は思い出した』や『エミリー、蝶とひなたを思う』くらいよく書けた。特別気に入っているのは西風の峰へ向かうシーンの志保の内省。「それが現実になることはなかった。」あたりでニヤニヤしちゃってますね。

 

あとは志保が息を呑むシーン。あの辺のピリピリ感は結構伝わってるんじゃなかろうか。あるいは「?」ってなってるか。だらだらした説明をとにかく省いてるので、伝わらない人には伝わらないだろうなとも思いつつ。

 

前提というか、「ああ、そういう感じの世界観ね」ってわかってもらえた人には面白く読んでもらえたんじゃないかと。前回と同じように「難しかった」系の感想もいただくだろなぁ。そうやって私の書く世界に入ってこられなかったっていうことは、私の導入部の書き方がまずかったということ。しようがないね。

 

次は書くの難しかった方を語る。物語の始まり方は悩んだところで、一番最後に執筆する部分となった。りっくんの存在を愛おしく思う志保の描写が必要だったが、最低限にしたかったため、そこは少し違和感のあった方もいるかも知れない。「この挿話は何?」みたいな。一段落二段落使ってしほりくをやって、というやり方もあったけど、そうするとスピード感が致命的に失われてしまう。

 

静香と星梨花の関係を書く上で志保とりっくんの関係を書かざるを得なかった。けど、りっくん出しちゃったら最後またキーマンとして出てこないと「あれ?りっくんはどうした?」ってなりそうで。実際最後に「大人たちに紛れて、怯える陸の姿が浮かび上がるように見えた。」→からの声を上げて志保が走り出す、という終わり方にしていた時分もあったんだけど、最終的には蛇足だと判断して削除した。

 

おわりに

結局ミイラ関係ないやんけ!という感じだが、ミイラ展とTBSラジオには感謝している。

 

こういう自作語りとかってトゥイッターなんかで連投して終わりっていうのが多いから、こうやってブログに残すのは邪道なのかも。ただ私は今回のに限らず、参考にした小説とかバンバン紹介したいし、今後もブログ記事で書けそうなやつは書いていこうと思う。

 

末筆になるが、ミリマスSS交流会、今回も盛り上がっている。腕によりをかけたSSのオンパレード、ぜひとも、コメント残さなくてもいい、読むだけでもいい、ちらっとのぞいていってはいかがだろうか!

 

ミS交2 作品一覧ページのリンク

作品一覧 - 第貳回 ミリマスSS交流会@ ウィキ【6/13更新】 - アットウィキw.atwiki.jp

 

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。ではまた!