ミS交2に提出した作品について語る記事だったもの
このブログ記事は、第2回ミリマスSS交流会に作品を提出したタイミングで投稿しようと思っていた自作語りの記事でした。
信じられないことに、ミS交用に完成させていた作品『えでろ・すぱざろ』は、筆者のミスにより誤って消去され、復元不能となり、永遠に失われました。
未だに悲しさ、悔しさがありますが、『えでろ・すぱざろ』の供養をしたいと思い、この記事を墓標代わりに投稿します。
よって、このブログ記事は「世に出ていない、かつて存在していたミリマス二次創作SSについて語る記事」になります。
以上を理解してくださった方は本文にお進みください。
・『えでろ・すぱざろ』筋書き(書き直す気はありません。察してください。)
志保と静香は”とるつ”の巫女。占導の口寄せにより神への生贄に選ばれたのは、静香の妹である星梨花であった。志保は弟である陸のことや静香の心中を思案しながら、祭祀長と静香、ラマの背に乗せた星梨花とともに神の居ます西風の峰への道を登っていく。祭祀長の呪文により到来する異形の神、えでろ・すぱざろ。静香は迷いない動きで短剣を手に突進し、神を刺す。瞬間、神は人知を超えた力を発散し、静香と星梨花、祭祀長とラマとを”消去”する。一人残された志保は神に囚われ、新たにその依り代となる。自身の異変に気付きながらも正気を保った志保は、山を下って集落へ戻る。心配する占導に抱き留められる志保。しかし志保の身体は占導の生気を吸い尽くして死に至らしめ、神の如き光を纏う。自分が人を喰らって生きる神となったことに気づき、発狂した志保は、叫びをあげながら山道を走り去る。えでろ・すぱざろの居ます場所、西風の峰の頂へ。
以下本文
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第2回ミリマスSS交流会に参加しました(※していません)
令和2年6月12日~30日の期間で、ミリマスのSSを投稿して感想を述べ合う「第2回ミリマスSS交流会」(五七五)が行われた。
第2回ミリマスSS交流会wikiのリンク
第貳回 ミリマスSS交流会@ ウィキ - アットウィキw.atwiki.jp
蓮見も第1回に続いて参加した。提出作品は以下のpixivページから読むことができる。もし読んでいない方がいたら、このブログ記事を読む前に読んでほしい。
『えでろ・すぱざろ』pixivのリンク(※投稿していないので存在しません)
『えでろ・すぱざろ』を書いた経緯
私は前回きさらさんとの合作を提出した。
『志保「かみさまの話」』 pixivリンク
きさらさんのpixivプロフィール
ハイセンスな作品が並んでいる。是非ミリマスSSだけでも読んでいただきたい。
その時は志保と美也とのり子を主人公に、ちょっと不思議なお話を書く的なコンセプトだったと記憶している。もともとは、途中からきさらルートと蓮見ルートに分岐し、二通りの事件解決を描く予定だった。しかし諸般の都合により、のり子とPが燃え盛る村から脱出する蓮見エンドはお蔵入りとなった。
さて、第2回ではどんな話を書こうか。書きかけのSSやアイデアはまだまだあるし……などと鼻をほじっていた時のこと。スマホアプリで聞いていたラジオから、こんなCMが流れてきた。
特別展のサイトだしリンク切れたり消えたりしたらごめんね。
ミイラかぁ~~~~~そうかぁ~~~~~~いいねぇ~~~~~~
というわけである。
ミイラという言葉から着想するのはエジプト・ファラオ方面だと思うが、この時私の頭に思い浮かんだのは南米アンデス山脈だった。インカ帝国にも、ミイラを保存する営みがあったんじゃなかったかな。その昔テレビで、トウモロコシ製の酒を飲まされ、酩酊状態となった少女を山頂で殺し、何かの生贄にした?だかの番組を見た覚えがある。
インカ帝国のミイラについて。
古代インカ、生贄の子らは薬物漬け | ナショナルジオグラフィック日本版サイトnatgeo.nikkeibp.co.jp
ちょっと調べたらすぐ出てきたナショジオの記事。
この辺からもう私の頭の中はバラ色ストーミング状態となった。最近のSSでもっぱら超常現象の被害者になってもらっている北沢志保さんを主人公とし、異形の神との交信を描くのはどうだろうか。
はじめ、登場人物をクレブルでまとめようと思っていたため、神は麗花さんの如き相貌を予定していたのだが、茜ちゃんが滑り込む枠がなかったため断念。登場人物の配役はわざと想像の余地を残す書き方をしたが、筆者の想定では占導=あずささん、祭祀長=貴音、侍女=環で考えていた。
場所や時代背景はめちゃくちゃ適当。ほぼ何も決めてない。一応インカ帝国モチーフということで、「あの辺って確かスペインに侵攻されたよな?そしたらスペイン語やポルトガル語を日本語風にして、日本人が入植した体でなんか現地の言葉を聞き書きしましたみたいなの、いいな!」とかなんとか。この辺はゲーム『SIREN』シリーズの影響だ。
神を呼び出す呪文とか、もうメモも消してしまったので私にも正確な意味は分からない。「ばいら」は「踊れ」、「ばいらろか」で「舞い踊れ」、「あせんでんど、かえんどびえお」は「上昇し、下降し、」みたいな意味だったと思う。彼らは「とるつ」という民族で、主に酪農を営んでいる。「とるつ」も「タリツン」がなまってそうなった。タリツン自体はどんな意味だったか忘れた。「えでろ・すぱざろ」は「鳥の王」の意。
星梨花を奪われたくない静香が神に反逆し、神は志保を次の依代として選ぶ、というのが筋書き。依代は人の命を糧として育ち、志保も恐らく巨大な光の塊になる運命なのだろう。そしてその道程で、陸を吸収することもあるかもしれない。そうして志保は、かつての同じ民族の命を奪って生きていかなければならない運命に恐怖する。
私の書き物はその時々で読んでいるものに激しく影響を受ける。この時はJ.G.バラードの短編全集を読み進めているところだったので、できるだけ短く、読者の想像力を刺激できるものを書こうと考えていた。
バラード短編全集1巻のアマゾンリンク
どんな本か一言で言い表わせないけどすごく面白い。あと個人的には「こういう終わり方でもいいのか……」っていうのが勉強になる。
また並行して、廃園の天使シリーズの一巻、『グラン・ヴァカンス』を読んでいた。神との邂逅のシーンについては、こちらを大いに参考にした。
『グラン・ヴァカンス』アマゾンリンク
あらすじを読んだだけでワクワクが止まらない。絶対読んで損はしないと思う。まだ2巻までしかないので続編が楽しみ。
とまぁ、いろいろとアイデアを借りたりなんだりしながら。正直かなりよく書けたなと自分の中では満足している。最近の自分のだと『北沢志保は思い出した』や『エミリー、蝶とひなたを思う』くらいよく書けた。特別気に入っているのは西風の峰へ向かうシーンの志保の内省。「それが現実になることはなかった。」あたりでニヤニヤしちゃってますね。
あとは志保が息を呑むシーン。あの辺のピリピリ感は結構伝わってるんじゃなかろうか。あるいは「?」ってなってるか。だらだらした説明をとにかく省いてるので、伝わらない人には伝わらないだろうなとも思いつつ。
前提というか、「ああ、そういう感じの世界観ね」ってわかってもらえた人には面白く読んでもらえたんじゃないかと。前回と同じように「難しかった」系の感想もいただくだろなぁ。そうやって私の書く世界に入ってこられなかったっていうことは、私の導入部の書き方がまずかったということ。しようがないね。
次は書くの難しかった方を語る。物語の始まり方は悩んだところで、一番最後に執筆する部分となった。りっくんの存在を愛おしく思う志保の描写が必要だったが、最低限にしたかったため、そこは少し違和感のあった方もいるかも知れない。「この挿話は何?」みたいな。一段落二段落使ってしほりくをやって、というやり方もあったけど、そうするとスピード感が致命的に失われてしまう。
静香と星梨花の関係を書く上で志保とりっくんの関係を書かざるを得なかった。けど、りっくん出しちゃったら最後またキーマンとして出てこないと「あれ?りっくんはどうした?」ってなりそうで。実際最後に「大人たちに紛れて、怯える陸の姿が浮かび上がるように見えた。」→からの声を上げて志保が走り出す、という終わり方にしていた時分もあったんだけど、最終的には蛇足だと判断して削除した。
おわりに
結局ミイラ関係ないやんけ!という感じだが、ミイラ展とTBSラジオには感謝している。
こういう自作語りとかってトゥイッターなんかで連投して終わりっていうのが多いから、こうやってブログに残すのは邪道なのかも。ただ私は今回のに限らず、参考にした小説とかバンバン紹介したいし、今後もブログ記事で書けそうなやつは書いていこうと思う。
末筆になるが、ミリマスSS交流会、今回も盛り上がっている。腕によりをかけたSSのオンパレード、ぜひとも、コメント残さなくてもいい、読むだけでもいい、ちらっとのぞいていってはいかがだろうか!
ミS交2 作品一覧ページのリンク
作品一覧 - 第貳回 ミリマスSS交流会@ ウィキ【6/13更新】 - アットウィキw.atwiki.jp
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。ではまた!