歩のハンバーガービキニ

ミリマスPの妄想日記・SSなど

【感想】ジョーカーを見てきた

できるだけネタバレ回避したら全然内容がない。ほぼ自分用です。

 

 

いい映画だった。


プロモーションでも出てくる踊るシーンが本当に美しい。何回か機会があるけど、初めて踊った時が踊りの中で一番好きだった。「ああ、自分を解放したんだ。良かった」って泣いてしまった。
踊りは美しくて、それを見れるのが嬉しくて、でも悲しくて泣けて笑えてきて、それがいっぺんに感情として来る。
終盤で立ち上がるシーンがあるんだけど、そこでも涙が頬を伝うほど泣いてしまった。そして不思議と笑顔になってしまう。泣き笑い。「“ジョーカー”、よかったなぁ。よかったよかった」って。


主人公が着実にそしてスムーズに失うものを失っていってて、当たり前のことで申し訳ないんだけどプロの脚本ってやっぱすげぇなって思った。
ひとつふたつ見ただけじゃわかんなかったところもあったけど、プログラム?っていうのを上演後に買って読んで「そういうことだったのか!」と解決した。「なんだか分かんないけど記念品で買おー」って買って読んでみたらストーリーめちゃ詳しく書いてて、「見る前に買わないでよかった……」となった。


「ジョーカー、最高ーっ!!」とならなかったのはまぁ悪役側の視点の物語だからかなと。主人公にも感情移入しながら、彼を諭したりする場面では圧倒的“正しさ”が立ち現われてきて「そうだそうだ」と首肯してしまう。悪事を働いても、それだけの仕打ちを受けた報復だったりするので、最初のうちは「やっちまえ!」って感じで見てられたけど、主人公が終盤に向かって追い込まれていく過程を見てると、どんどん「なんとか他の方法で救われることはできなかったのか……?」的な賢者モードみたいなのに入ってしまった。だからなんかそういう意味では、見る側としては一筋縄のストーリーではなかったって感じ。最終的には泣きながら笑って大団円みたいになりはしたけど。


まーあと、客観は欺瞞というか、なんか主人公の主観とその他大勢の主観のズレがどうしても大きいんだけど、客観なんてないんだなと思わされた。客観って主観の集まりじゃん。客観的に見ることはできても、結局それって主観の集まりの偏りが大きい方から見るってだけで。世の中理不尽だな。でも世の中って理不尽なモンだな。