歩のハンバーガービキニ

ミリマスPの妄想日記・SSなど

【ミリマスSS】育ちゃん「ねぇ、プロデューサーさん!」

よくわからないやつです。

よくわかりません。

暇を持て余したときにどうぞ。

 

以下本文……

 

「ねぇ、プロデューサーさん!」

振り向くと、にっこり笑う育の姿があった。思わず頬が綻んでしまう。

「おう……どうした?」

「実はね、これをやってみたいんだけど……」

後ろに回していた手に握られていたのは、木製の耳かきだった。

「耳かき?面白いものを持ってきたな」

「テレビで、気持ちいい耳かきのしかたをやってたの!いっつもお世話になってるから、プロデューサーさんにやってあげる!」

「本当か?嬉しいなぁ。もしかして、膝枕なんかしてくれたり……?」

「もっちろん!ちょっと重たそうだから、そんなに長い時間かけないようにするね」

「ははっ、やったやった。じゃあちょっと休憩しようっと」

 

「はい。ソファーに横になって、耳を見せて!」

「分かった分かった。よいしょっと……」

 

 

 

(しまったッッッ!!!!)

(俺の耳の穴は蟹座星雲E158小惑星に繋がっているんだった!!!)

(このまま育にホジホジされたら、人工衛星はやぶさもビックリの特大スクープになってしまう!!!!)

(なんとかやめさせないといけない……しかし、あれだけ快くOKしてしまった後だ。俺から言い出すのはどだい無理な話……)

 

「おっ?育、何してんのー?」

「あっ、恵美さん!」

(恵美かっ!?あいつのコミュ力なら俺の目を見ただけで何を要求しているか分かるはずだ!これは僥倖!!)

 

「今ね、プロデューサーさんに耳かきをしてあげるところなんだ!」

「へぇ〜。10歳の美少女アイドルの膝枕で耳かきだなんて。まるでお父さんみたいじゃん!良かったね、プロデューサー!」

(よくないんだ恵美!!俺の必死な目を見てくれ!事情はともかくこのままじゃまずいということだけでも伝わってくれ!!)

 

「ん?」

 

(気づいたな!?さすが恵美だ!!)

 

「なーに怖がってんのプロデューサー!あーっ?もしかして、育のこと信じきれてないんじゃないのーっ?」

 

(NO!!違うよ!そんなことはないよ!)

 

「えぇーっ!?そうなの?プロデューサーさん!」

「い、いや、違うんだ。育のことは信じてる。耳かきが奥まで入りすぎて痛い思いをするんじゃないかなんて微塵も思ってない。本当に」

 

「むー。プロデューサーさん、なんか嘘ついてない?わたしのこと子供扱いして、甘く見てるんでしょ!」

 

「いや、そうじゃないんだ。何より、育が俺のことを想って耳かきなんてしてくれるんだ、この好意を無下にしたりはしないさ。そうだろう?恵美」

 

「そだねー。プロデューサーは嘘ついてないよ。アタシが保証する!」

 

「そ、そう?じゃあ、耳かきに戻るからね……」

 

(や、やばい……もうすでにかなり入ってる……!)

(このままじゃ、宇宙誕生の秘密に迫る鍵がほじくり出されてしまう!)

 

「なんか……すごい……ジャリッジャリなんだけど……」
「えぇー?プロデューサー、ちゃんと普段から耳掃除してるー?」

 

(恵美が屈んで俺の耳を覗いてる……っ!た、谷間がァッ!谷間がすごい!あぁすごい!近い!近い!)

 

「あっ!普段耳掃除サボってるのがバレるから、マズい!って顔になったんでしょ!?」
「ちっ、違う!耳掃除はしてる!だから、とんでもない耳あかが取れてみんなにドン引きされたりはしない!」

 

(このままじゃ……このままじゃ、俺の耳が大スクープを生み出してしまう!)

(俺は昔から、目立つのが苦手なんだッ!)

(そんなことになったら……恥ずかしいッ!恥ずかしくて死んでしまうッ!)

 

「うわぁ……プロデューサーさん、砂利みたいなのがとれたよ……」

「え。ホントだ。こんな白っぽい耳あか、初めて見たよ……」

 

(あぁっ……俺の耳から……大スクープが……)

 

「うっ、うぅぅぅっ……」(ぽろぽろ)

「ちょっ、プロデューサー!?なんで泣いてるの!?」

「えっ!?ごめんね、痛かったりした!?」

 

「い、いや……痛くはないよ……続けてくれ……うっ、うぅ……」

「そうじゃなくて……なんで泣いてるのさ!大丈夫?」

「俺……はっ、恥ずかしくて……もう……うぅっ!」

「あっ……」

「ご、ごめんね、プロデューサーさん!たしかにすごいのがとれたけど、それをああだこうだ言うのはダメだったよね!ごめんね!」

「いいんだ、続けてくれ……うぅ」

「ど、どうしよう、恵美さん……」

「う、うん、育はとりあえず耳かきやめて、プロデューサーを起こしてあげて。アタシはコーヒー淹れてくるから!」

「わ、わかったよ。プロデューサーさん、ほら、起きて……!」

「うぅっ……ううぅ……」

 

 (その後、恵美はコーヒーとお菓子を持ってきて俺を慰めてくれた)

(育は謝りながらも忙しい俺をねぎらってくれ、掻き出した小惑星の粒子をティッシュにくるんでゴミ箱へ捨てた)

(本当の意味での天文学的価値があるというに……)

(まぁ、ちょっとしたアクシデントも日常のスパイス。今日の残りも、明日からも、頑張っていくか!)

 

おしまい☆ミ